コードバンにはサフィールのクレム1925とコードバンクリームどっちがオススメ?靴磨き職人・樺澤幹人さんに聞いてみた!

京都の靴磨き職人・樺澤幹人さんにコードバンにオススメのクリームを聞いてみた!
以前、樺澤幹人さんには、
・革靴に使う乳化性クリームと油性クリームの違いは?
・乳化性クリームと油性クリームどっちがオススメ?
というテーマについて、超絶分かりやすい解説を頂きました。
そして今回は、「クレム1925とコードバンクリームどっちがオススメ?」という疑問にお答え頂きました!
「そりゃあコードバンクリームでしょ!」と思われるかもしれませんが、実は甲乙付けがたい好勝負!
溺愛するAlden(オールデン)等のコードバン靴には、一体何を使うべきか!?
非常に気になるテーマです!
[box]
京都の靴磨き職人「Glayage KYOTO 樺澤 幹人」です!
大手セレクトショップ在籍時から靴を磨き続け、現在は京都と全国からの郵送にて靴磨きを行っております。
今回は、SAPHIR Noir(サフィール ノワール)のクレム1925とコードバンクリームについて解説します。
ただ、靴磨きに正解はありません。職人それぞれ考え方がありますので、あくまでも参考までに。
そもそもクレム1925をコードバンに使って良いの?
わざわざクレムとは別に「コードバンクリーム」がある位ですから、「クレムはコードバンに向いていない・使えないのでは?」と思われるかもしれません。
結論は、クレムをコードバンに使って頂いて問題ありません。
そうなると、クレムかコードバンクリームか迷いますよね。
そこで、両者の違いを説明していきます。
栄養ならコードバンクリーム!
まず、
・クレム1925・・・油性
・コードバンクリーム・・・乳化性
という違いがあります。
以前お話した通り、乳化性か油性かで言えば、私は油性がオススメです。
ただコードバンは、油分が抜け易い革質です。
そこで「ニートフットオイル」配合のコードバンクリームは、最適な油分をしっかり与えます。
ちなみに「ニートフットオイル」は、有蹄動物(牛、豚、羊等)の脚をタンクで茹でた上澄みの油。
固形の「脂」ではなく「油」のため、しっかり内部まで浸透してくれます。
他方クレムには、厳選した高級蜜ロウ(ビーズワックス)、カルナバワックス、シアバター等が配合されています。
シアバターは植物性の油脂で、融点も低く、革に浸透しやすいのが特徴。
そのため、保革・保湿効果も高いです。
カルナバワックスやビーズワックスの効果を高める、クレムには必要不可欠な天然原料です。
もちろん「クレムだと栄養不足になる」という訳ではありませんが、「より」的確に栄養を与えられるのはコードバンクリームの方です。
光沢ならクレム!
コードバンクリームは、クレム1925とは光沢の質感が違います。
ヌメっとした光沢と言いますか、コードバンの風合いが活きた光沢感に仕上がります。
他方クレムには、最高級のビーズワックスやカルナバワックス等、上質な光沢を出すことに特化した成分が入っています。
そのため、コードバンクリームよりもしっかりと光ります。
選択の基準は?
両クリームの特徴を知った上で、「皆さんがクリームに何を求めるか次第」です。
一概に「どちらが良い」「どちらがオススメ」とは言えません。
ただあえて目安を申し上げれば、
・光沢を重視するならクレム
・栄養を重視するならコードバンクリーム
ポリッシュ(いわゆる「ワックス」)を使われるのであれば、栄養はコードバンクリーム、光沢はポリッシュに任せるという形も効果的です。
クレム1925
コードバンクリーム
ニーズに合わせて使ってみて下さい!
コードバンの革靴に使うクリームとして、SAPHIR Noir(サフィール ノワール)のクレム1925とコードバンクリームをご紹介しました。
コードバンクリームは「専用」だけあって栄養補給には最適、他方クレムは上質な光沢が魅力です。
どちらもオススメなので、皆さんのニーズに合った方を選んでみて下さい。
また、どちらも使ってみると違いが分かって面白いと思います。
[/box]
まとめ
京都の靴磨き職人・樺澤幹人さんに、コードバンの靴磨き用クリームとして、クレム1925とコードバンクリームの違い等を解説して頂きました!